7月14日(金)に、兵庫県宝塚市で開催された「ジャパン碁コングレスin宝塚」に
日本視覚障害囲碁普及会として参加してきました。
日本視覚障害囲碁普及会は、当日の囲碁学会で以下のような研究発表を行いました。

加藤俊和・元日本ライトハウス所長 講演

加藤俊和・元日本ライトハウス所長 講演
「視覚障害者囲碁の意義、九路囲碁が視覚障害の方に最適な根拠等」

九路盤が視覚障害者にとって最も適した広さであり、九路盤より広くなると視覚障害者は碁盤全体の把握が困難なこと、 また、九路盤は決して初心者向けのものではなく、囲碁の本質が凝縮してあることなど、 専門的な根拠に基づいた話がありました。

私も十九路盤は打てますが、対局中、盤面を確認するのに時間がかかり、とても疲れます。

 相手の打った場所を触って確認
    ↓
 頭の中の碁盤に記憶
    ↓
 盤面全体を触って確認
    ↓
 頭の中の碁盤と合っているかの確認

一手打たれるごとに、これだけの手間がかかります。
また、頭の中で次の手を考え、盤面を確認して碁盤に打ちますので、かなりの時間のロスがあるわけです。
ですので、十九路盤という広すぎる碁盤で勝負になるわけがありません。
「見る=触る」のではなく「見る=頭の中の記憶」、つまり、メインは頭の中の碁盤で、碁石を触るのは単なる確認作業なのです。
十九路盤は楽しみで打つだけで、勝負にはなりません。
でも、九路盤は真剣勝負で対局できます。

中丸とマイケル・レドモンド九段との九路盤囲碁対局風景

囲碁梁山泊編集長の浅江氏と、日本視覚障害囲碁普及会代表の湯川光久九段 解説
「中丸とプロ棋士との九路盤囲碁対局」

マイケル・レドモンド九段に対局していただきました。
レドモンド先生とは、飯田橋でのペア碁大会などで、何度かお話しさせていただく機会があり、 とても感じのいい先生だなあと思っていました。
レドモンド先生が目隠しをされ、碁盤を触っての対局。
互先で私の黒番になりました。
結果としては、発表時間をオーバーしてしまい、打ちかけ(途中で終了)になりましたが、 形勢はレドモンド先生が少しよかったそうです。
公開対局でとどめをささないレドモンド先生、益々ファンになりました!

対局後のインタビュー風景

そのほかに、自由対局会場での当会選手との九路盤囲碁交流も企画されており、同じフロアで対局していた中国の子ども達が遊びにきて対局したり、講義後、海外の方が碁盤の仕組みを見にきたりしていました。

●ジャパン碁コングレス
http://japangocongress.p-kit.com/
●日本視覚障害囲碁普及会
http://fmiyano.sakura.ne.jp/

〈院長〉